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2012年 01月 28日
![]() まずは邦題がいいじゃない!原題が「THE DEAD」と無味乾燥なのに対し、一発で内容が分かるとても良いタイトルだと思います。 一見、キワモノと思いがちがけどその原題からも分かるように内容はシンプルで至ってマジメ。ゾンビだけでなくアフリカの荒涼とした大自然も牙をむいてくるし、アメリカ軍兵士とアフリカ軍兵士のロードムビーにもなっているという工夫もある。 とはいえ、広大な大地の向こうからフラフラとゾンビたちが集まってくる絵面は新鮮というかやはり奇妙なもので、よく見つけて集まってくるなあとは思うけど、サンコンさんは視力が6.0で3km先のシマウマを数えたというし、アフリカだったらあり得るのかもしれないです。 もちろん低予算だし物足りない部分もあるものの、ご当地ゾンビものとしては十分に満足。これだけ世界中にゾンビがいるとやはり地球は丸く、人類は一つとなのだと改めて感じさせてくれる。 さっき見た沈む夕陽は、どこかで昇る朝日となっているのです。 2012年 01月 26日
![]() 御大コッポラが自主制作で撮り上げたモノクロ映画。加えてブエノスアイレスが舞台で主演がヴィンセント・ギャロと目新しい要素が多く、御大のくせしてスゲー意欲的な作品でした。 過去をひた隠しにして生きる兄とその弟、そして父親に関する家族のお話。ひたすら淡々としたクラシカルなトーンで進むんだけど後半から急に映画がグイグイと動き出すので油断出来ない。そのまま右肩上がりで頂点へと達するラストはお見事としかいいようがない決まり具合。 若々しいを通り越して、こっ恥ずかしいほどの冒険的な演出はベテランの余裕を感じさせました。そういうのは若手に取っておいて欲しい気もするけどな。 ギャロは相変わらず神経質で破滅的な役柄だったけど、書き溜めておいた自伝的小説を勝手に読まれてしまい大暴れするシーンは怒っても仕方ないなと思いました。あれは怒っていい。 2012年 01月 25日
![]() 傑作「チェイサー」のナ・ホンジンが再び手がける悪いやつらの追っかけっこ。前作よりもさらに物騒で不穏な出来になっていてこれまた面白かったです。 出稼ぎにいったまま音信不通となってしまった妻を探しながら、地元ヤクザから請け負った殺しを遂行するタクシー運転手が案の定ドツボにはまってく。 追う、追われるという活劇の基本でハラハラさせ、またその先にあるやるせない徒労感もたまらないわけですが、一番の見どころは地元ヤクザ・ミョン社長を演じるキム・ユンソクの野獣ぶり。 熊のような風体でノシノシ歩き回り、相手の頭を容赦なくカチ割り、何だか分からない動物の肉をガツガツと喰らう。まるで「オレ、タベル! オマエ、コロス!」とでも言いたげな単純明快でプリミティブな魅力に溢れています。 そんでもってコイツがなかなか死なない。ちょっとくらい刃物で刺されても「痛え!」くらいですぐ襲いかかってくるし、走る車からフリ落とされてもT-1000のように起き上がって追いかけてくる。やっぱ映画はなかなか死なない人が出てくると盛り上がりますね。 「チェイサー」でもそうだったけど、このキム・ユンソクさんが下の人間に対して頭をパコーンと叩いて「お前なにやってんだコノヤロー」みたいに言うのがすごく面白いと思うので、是非ともモノマネを会得したい。 2012年 01月 16日
![]() 品川の遊郭で、代金を払わずに居座る男が飄々とした立ち振る舞いで大活躍していくという何てことはない小さなお話なのにパワフルでスペクタクル感に溢れた傑作。スクリーンで観るのは二度目ですが修復されて細部まで見やすくなっていたので余計に面白く感じました。 この作品を知ったのは80年代後半からヤンジャンで連載されていた「栄光なき天才たち」という漫画での監督・川島雄三のエピソード。その中で「幕末太陽傳」で実現出来なかったラストシーンが描かれていて強く印象に残っています。 それは、品川の宿場を追われるようにして後にする主人公がそのまま撮影セットを飛び出し、撮影所から現代の品川の街まで駆け出していくというもの。 この素晴らしいアイデアは周りから総スカンをくって実現しなかったそうで、何て勿体ないことをするんだと説教してやりたいくらいですが、そうした伝説や後に影響を受けたフォロワーたちの仕事(「エヴァ」のラストもこれの影響らしい)を含めてやはり傑作。 「地獄も極楽もあるもんけ」という世界観もズバリ言って大好物です! 2012年 01月 14日
![]() 山梨県甲府を舞台にした土方、ラッパー、在日ブラジル人、タイ人のやたらビターな群像劇。3時間弱の長尺ものですが、評判通りの力作でスゲー面白かったです。 よくある田舎の地域振興を目的として助成金で撮られたような観光映画とは違い、この地方の、この街でしか作れない映画になっていて「こんな所が日本にあるのか」とハッとさせられる。 かつて賑わっていた街の商店街はシャッター通りとなり、ただでさえ少ない働き口を外国人たちと奪い合い、限られた娯楽と荒んだ家庭の中で日常をやり過ごしていく。 ズバリいってこれらの解決策は何も見えてこないわけですが、それを無い事にしてどっかから借りてきたような希望で繕うのではなく、問題をしっかり直視しているだけまだ救いがある。そう信じたい。 そうした心情をラッパーの青年が深夜の商店街でラップにのせて吐露する場面はホントに素晴らしい。とかく日本語ラップの感謝率は異常、とか揶揄されがちですが、ここには心の底から湧き出る怒りや憤り、この街で生きてく難しさを叫ぶしかないという切迫感に溢れていてグッとくる(これが台本ではなく即興のフリースタイルで撮られたと知って二度ビックリ)。 あと細かい事だけど低予算ながら録音・整音の技術がしっかりとしていて、登場人物たちのセリフが聞きやすいことはもちろん、場面転換の演出にもなっていて大変感心しました。 俺もラッパーの青年と同じようなに土方のバイトをやっていた時期があるので、ここで描かれるドカチンたちのガサツさや呑気さ、オチのない会話にはどれも覚えがあり、ほとんどロクでもない思い出ばかりだけど、あのカラッとした現場の空気が懐かしくもあります。 2012年 01月 11日
![]() 凶悪犯罪者たちによって結成された「ワイルド7」が法で裁けない悪を退治するーしかもバイクで!というこれ以上無いくらい完璧な設定のアクション漫画の映画化なわけですが、これが勿体ないとしか言いようが無い出来映え。 鑑賞後は「アクション・・・頑張ってたな」と思ったけど、良かったのは突入したオフィスをバイクで駆け抜けるシーンくらいで後の良い部分は全く思い出せないので、それもどうにか楽しもうとした俺の前向きな補正が入っていたようです。 同じ原作でベニー・チャンあたりがが撮っていたら・・・という妄想をせざるを得ない。 ワイルド7がとても悪い人達には見えないのも問題で・・・とか言い出したらキリがないのでもう止めますが、さっき映画レビュー投稿サイトみたら星一つを付けてた人がいて、そのレビューのタイトルが「邦画ですね」だった事はスタッフもしっかり受け止めるべきと思います。 ただ俳優陣はキッチリ仕事をこなしてた印象はある。 あ、フカキョンは・・・まぁそのままでいいや 2012年 01月 10日
![]() 人間の代わりにロボットが殴り合いをする世界で落ちぶれた元ボクサーが息子&ポンコツロボットと共に大きな勝負へと挑む・・・という内容は全部予告編で説明されていましたが、それが分かっていても十分に楽しめた。やはり"持たざるもの"が汗水流して勝利するというプロットは手堅い。 ロボットに主人の動きを真似ることが出来る機能が搭載されている設定も、傀儡としてのロボットと主人公の関係性がよく表れていた。 それにしてもロボットが壊れる描写は凄く苦手。前にも書いたけど人間の腕がチギれたり首が飛んだりするのは全然平気なのにロボットだと何でこうも心苦しく、寂しい気持ちになるのだろう? それでふと思い出したんだけど子供の頃に曾祖母が病気で死んだ後、その曾祖母が使っていた食器を金槌で叩き割るという事を伯父さんがやっていて(そういう風習だったのかは不明)、次々に割れていく食器を眺めながら、始めて曾祖母が亡くなった事実を理解したように思う。 その中のご飯茶碗が子供用の小さな茶碗で、側面にロボコンの絵柄が描かれていたのは、ロボットの壊れる姿に心を痛める俺の人間形成に大きく影響している気がする。あのコナゴナに割れたロボコンの茶碗・・・ そんな事に影響受けるとか、子供の頃の俺はホントに可愛いですね。 2012年 01月 08日
![]() 世界的に有名なバンドデシネの映画化。とはいえ原作にあまり思い入れはないのでスピルバーグ初のフルCG&3D作品として観たわけですが、タイトルに偽りなしの冒険、冒険、また冒険な展開で大いに楽しめました。 「スピルバーグまだまだ若いなー」というのが第一印象で、CGアニメでしか出来ないアクション表現に嬉々として挑んでいるのがよく分かる。実際に喜んでる様子を見たわけじゃないけどそうに決まってる。 見せ場であるサイドカーの場面は特に素晴らしく、ずっと続けばいいのに!と思いました。この場面はスピルバーグのドヤ顔も透けて見えるようだよ。 あと個人的には脚本にエドガー・ライトが参加してるのが興味深く、ギャグ(というかユーモア)パートはこの人の仕事かなあ・・・と想像して観てました。 お馴染みサイモン・ペグ&ニック・フロストのコンビも二人組みの刑事役を演じていて楽しみだったけど、観に行ったのが日本語吹き替え版だった俺のバカ!
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