2011年 08月 10日
「エッセンシャル・キリング」を観ましたよ
平たくいえばヴィンセント・ギャロ主演の脱走ものなわけですが、そうとも言い切れない不思議な映画。すごく静かだけど惹き付けられました。 とにかく情報らしい情報が観客に与えられない。ギャロは一言も台詞を喋らないし(痛い時に「アーっ!」とは言います)、アフガニスタンいたギャロがアメリカ軍に拘束されるけど移送中に事故が起きてギャロ逃亡、という事くらいしか分からない。 ここはどこで、逃げるにしても一体どこへ逃げるのか。そもそも何で逃げるのか? どこまでも続く白銀の世界でどうにかこうにかサバイバルする姿は、これまでのクールで気取った伊達男なギャロのイメージとはほど遠く、死にかけてたりすると逆に滑稽に見えてしまう部分もあるのでこれは良いキャスティング。 こんな風に色んなものがそぎ落とされてしまうと、そこから何を読み取るかは人によって違ってくるので面白い。俺は"性欲より食欲が勝つ"という場面があり、欲望の優先順位について思いを巡らせていました。 監督はイエジー・スコリモフスキ。劇場では上映前にスラスラと「ロビーにてイエジー・スコリモフスキ監督の関連商品を〜」とアナウンスしてたけど、意外に噛まないで言えるもんだなスコリモフスキ。
by erenoa70
| 2011-08-10 16:12
| Movie
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