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「サウダーヂ」を観ましたよ
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オーディトリウム渋谷で「サウダーヂ」を観ましたよ。

山梨県甲府を舞台にした土方、ラッパー、在日ブラジル人、タイ人のやたらビターな群像劇。3時間弱の長尺ものですが、評判通りの力作でスゲー面白かったです。

よくある田舎の地域振興を目的として助成金で撮られたような観光映画とは違い、この地方の、この街でしか作れない映画になっていて「こんな所が日本にあるのか」とハッとさせられる。

かつて賑わっていた街の商店街はシャッター通りとなり、ただでさえ少ない働き口を外国人たちと奪い合い、限られた娯楽と荒んだ家庭の中で日常をやり過ごしていく。

ズバリいってこれらの解決策は何も見えてこないわけですが、それを無い事にしてどっかから借りてきたような希望で繕うのではなく、問題をしっかり直視しているだけまだ救いがある。そう信じたい。

そうした心情をラッパーの青年が深夜の商店街でラップにのせて吐露する場面はホントに素晴らしい。とかく日本語ラップの感謝率は異常、とか揶揄されがちですが、ここには心の底から湧き出る怒りや憤り、この街で生きてく難しさを叫ぶしかないという切迫感に溢れていてグッとくる(これが台本ではなく即興のフリースタイルで撮られたと知って二度ビックリ)。

あと細かい事だけど低予算ながら録音・整音の技術がしっかりとしていて、登場人物たちのセリフが聞きやすいことはもちろん、場面転換の演出にもなっていて大変感心しました。

俺もラッパーの青年と同じようなに土方のバイトをやっていた時期があるので、ここで描かれるドカチンたちのガサツさや呑気さ、オチのない会話にはどれも覚えがあり、ほとんどロクでもない思い出ばかりだけど、あのカラッとした現場の空気が懐かしくもあります。
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by erenoa70 | 2012-01-14 11:22 | Movie