ブログトップ
「苦役列車」を観ましたよ
a0012356_11464120.jpg
渋谷TOEIで「苦役列車」を観ましたよ。

中学を出て以来、日雇いの仕事で稼いだわずかな金を酒と風俗につぎ込みその場しのぎの自堕落な生活を続ける男を描く、西村賢太の自伝的小説の映画化。山下敦弘監督の持つ資質とうまく手が合った感じでイイ青春映画になったと思います。

何の計画性も希望も友達も持たず、不遇な境遇を恨み、周りを妬んで見下しては呪詛とタンを吐き散らし、困ったら土下座もいとわない主人公はクズの中のクズなわけですが、それがあまりに混じりっけのない純粋な、とても見晴らしの良いクズなので面白く見れます。

金が無いのはともかくとして、人間関係が保てないのが厳しくて、せっかく友達になれた女の子(AKB前田敦子)に対して「友達って何するんだ・・・?」と困惑してとりあえず隙あらば襲ってヤろうとするという、"持たざるもの"の中でもかなりの低レベルっぷりを見せつけてくれます。

社会と繋がろうとすればするほど自らそれを断ち切ってしまうどうしようも無さにはこれといった着地点はなく、ドンヨリとした気分になるわけですが、自分の将来を体現したようなダメ先輩のマキタ・スポーツと行くしけたカラオケスナックで思わず本音を漏らす場面には、孤独と孤独が寄り添って生まれる暖かみがあります。

しかしその暖かみや他人がそこから救い上げてくれるわけでもなく、堕ちるとこまで堕ちた、さらにその下へドスンと落ちてからがようやく彼の出発点となる。

森山未來は「モテキ」に続いてのダメ男役ですが、こっちはオシャレさやサブカルとは全く無縁のブサイクさで演じ切ったのは大したものだと思いました。
[PR]
by erenoa70 | 2012-07-25 16:02 | Movie