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「ダークナイト ライジング」を観ましたよ
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新宿バルト9の先行上映で「ダークナイト ライジング」を観ましたよ。

何だか賛否両論の完結編ですが、「ダークナイト」には遠く及ばずとも、ヒーローものとしては大円団なんだから細けえ事はいいじゃねのってのが自分の立ち位置です。

以下、ネタバレ含みます。

改めて感じるのは「ダークナイト」には黙示録的な魅力があって、クリストファー・ノーランは決して正解の無い、永遠に続くであろう謎かけをジョーカーのニヤケ顔と共に観客の頭の中にインセプションさせてしまったわけです。

そうした魅力がこの「ライジング」にあるかというと、これが全く無い。今回の悪役・ベインはゴリゴリの見た目そのままにゴッサムシティをガンガン破壊し「富裕層・権力者たちを倒して市民が主役の世界をじつげんするのだ!」と民衆を煽る。その行動にはまた裏があるわけですが、要はこれがピンとこない。長州力だったら「何がしたいんだコラ!」と怒鳴りつけてるレベル。

金持ちを引きずり下ろせ!政治家や警察はブッ殺せ!という主張の根っこにある人間の憤りや妬み、全体主義の恐怖がもっと具体的にシッカリ描かれていたなら、「ダークナイト」でも感じた本質的な人間の揺らぎやジレンマがあったのではないかなーと思います。色々と指摘されてるように脚本の細かい部分で「あれ?」とつまづいてしまうのもイマイチ乗れない要因。

その一方で、バットマンシリーズは社会派サスペンスでもなければ何かのプロパダンダでもない、伝統と信頼のブランド・DCコミックスが作り出したヒーローでありますから、最終的な落としどころは英雄譚でなければいけない。

それは「ビギンズ」と同じく「人はなぜ穴に落ちるのか?」と「恐怖を克服する」事が柱になっていて、地下にある監獄というそのまんまな設定で分かりやすく示される。この穴ぐらで「死ぬことなんて怖くない(別に死んでもいい)」と言い張っていたバットマン、ブルース・ウェインが死よりも辛い生き抜く道を選択し、文字通り這い上がっていく姿はやはりヒーローのそれであり、悪に翻弄され続けた物語を本筋へと戻してくれます。

そのウェインの人生を変えた両親殺害事件の際、傷ついたウェイン少年の肩にコートをかけ、優しい言葉をかけたのがバットマンを支えてきたゴードン市警本部長だという事も最後に明かされる。ウェインにとっては彼こそがヒーローであり、誰もがそうなり得るのだという締め方はベタではあるがベタゆえにグッとくる。

それに続くエピローグ。仲違いしたまま主を失い、途方にくれる執事アルフレッドが見た光景の安堵感。バットマンの意思を受け継いだブレイク刑事ことロビンがバットケイプを見つけた時の高揚感。終わりを高らかに叫びながらも物語は続くという抜群の締めくくりで、凡作となるはずの本作をガツンと盛り上げていて素晴らしかった。

あとはアン・ハサウェイの尻がとにかく素晴らしかったです。
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by erenoa70 | 2012-08-08 00:29 | Movie