ブログトップ
『殺人の追憶』
a0012356_8554.jpg
『殺人の追憶』 公開終了間近です

という事で新宿にて鑑賞。公開前から気にはなってたけど「ほえる犬は噛まない」を観てこれは見逃してはイカンと大慌てで行く。

今から約十年前、台湾ニューウェーブと言う流れがあった。台湾からエドワード・ヤンやツァイ・ミンリャンが出て来た時に確かに映画界は変わる、そんな気概を感じさせる流れが。今はこの二人もパッとしないのが残念だがその流れを生んだのと同じような状況が今の韓国にはあるように思う(「シュリ」の時にもそう言われてきたが個人的にこれはハリウッドのアクションを韓国風に味付けしただけの凡作だと思うのでシカトする)。これは本作のポン・ジュノ監督も発言しているが今の社会情勢が密接に関係しているのだろう。政策によって新しい文化を大量に受け入れる中でいささか不格好ではあるが、独自の方法論を生み出そうとしている。

だから80年代の変革時に起きたこの事件を取り上げる事で今の韓国の姿が見て取れる事が面白いし、この国の人間自体が面白い。また同時に、実際の事件を題材にあげるのは現代を描くのには簡単な手段でもある。しかし本作はそんな罠も容易にすり抜けてみせるのだ。

映画は連続殺人犯を追う刑事達を描く。犯人の顔は見えそうで見えない。刑事達はこれまでの捜査にも疑問を抱きながらもがく。しかし犯人は変革する社会全体をあざ笑うかのように殺人を重ねる。全ては迷走し、混乱し、最後にはそれが「普通」という言葉で拡散して終わる。観客を現代に、そして現実に呼び戻す、素晴らしいエンディング。

見終わった後の不気味さが心地良く感じられるのは良いサスペンス映画の条件でもある。

あと、どうでもいいんだけど刑事が容疑者を拷問する際に跳び蹴りを多様するのはやっぱり国技のテコンドーが影響してるのか?

そんな事を思いながら大久保でキムチを買って帰った。
[PR]
by erenoa70 | 2004-05-20 08:56 | Movie