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人生は舞台とシェイクスピアは言った
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DSに興じていたその若者は、車内の混雑に気づいていなかった。

若者の前には杖をついた老人が立っており、それを目にした人達は「席をゆずればいいのに」という視線を若者に送っている。

DSを鞄にしまった若者はようやくその状況に気がついたらしいが、それで席をゆずるわけでもなく、ばつが悪そうに寝たフリを始めた。時おり首をひねり、ギュッと腕を組んで下を向く。不意にあくびをしてみてはまた下を向く。

老人は別段プレッシャーをかけるでもなくただ立っているだけなのだが、やはり良心が傷むのか若者はソワソワしっぱなしである。

「人生は舞台だ、男も女もその役者にすぎない」とシェイクスピアは言った。そう、この若者は今まさに自らの肉体をもって「眠たい」という演技に挑み、目の前に表れたこの小さな難関を乗り越えようとしているのだ。

さあ、どう演じ切るのだ若者よ!とわたしは注視した。

「ンゥ・・・ねむぃ」

喋っちゃったよ!
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by erenoa70 | 2008-06-17 22:46 | Stupid