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「デメキング DEMEKING」を観ましたよ
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連載時には不人気で打ち切りになるも、熱狂的なファンから支持され続けている、いましろたかしの傑作漫画の映画化「デメキング DEMEKING」を観ましたよ。

友達から薦められて原作を読んだのは数年前。宇宙怪獣・デメキングと戦う男の話のはずが海辺の田舎町での日常が描かれるだけで全く展開が読めない。後半は舞台を東京へ移したかと思えば、そこには驚愕のラストが待っていた。最後のページを持ったまま「ええっ!?」と声に出してしまった漫画は後にも先にもこれだけである。

07年に刊行された「完結版」には新たに2ページが加筆されたものの、その混沌さはさらに濃度を増してファンの間でも賛否が分かれる結果となる。いましろたかしはそれまで短編ばかり描いてきた漫画家で、「俺だってストーリー漫画が描けるんだ」と証明するためにこのデメキングを描いたという。しかし本人も認めているようにその試みは失敗に終わってしまった。

そしてまさかの実写映画化。脚本と絵コンテを担当するのは完結版で「デメキングはこれで終わりです」と幕引きを宣言したはずのいましろたかし本人である。デメキングと戦う主人公・蜂屋を演じるのはなだぎ武。その朴訥として昭和フレーバー漂う風貌はこの世界観にピッタリな好演。その蜂屋と知り合う中学生・亀岡を演じるのは劇団ナイロン100℃に所属する喜安浩平。現在34歳だというのに、小学生とばかり遊ぶボンクラ中学生を熱演。その演技と強烈な顔面は今後の邦画界で重宝されるに違いない。

その亀岡こそが映画版での実質的な主役となる。小学生と「探検団」を結成し、買い食い、自転車でのツーリング、イタズラを繰り返すのどかな毎日。謎の男・蜂屋と出会う事で彼らはデメキングを巡る小さな冒険へと出るのだが、それは同時にイノセンスな季節の終わりを意味する。

その残酷さと可能性を描いたラストはまた賛否両論あるんだろうけど、冒険がまだ終わっていない事を示すにはこれしか無いとも言えるし、何よりもいったん「失敗作」となったはずの作品がこうして復活してケジメをつけた事に思わずグッとくる。誰が何と言おうと間違いなく傑作。
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by erenoa70 | 2009-03-20 14:16 | Movie