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2008年 09月 19日 ( 1 )
尾行倶楽部
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本屋で立ち読みをしていると、隣にいる男がソワソワしていてどうにも落ち着きがない。手にした本には目もくれず、ある方向をジッと見つめてはサッと目線をそらしている。

男の視線の先には女性が立っていた。清楚な雰囲気で整った顔立ちをしたなかなかの美人である。「あぁ、あのひとの事が気になるんだな」とその落ち着きがない理由は分かったのだが、急に男がその女性の後をつけだしたから驚いた。

しばらくそのまま目で追ってみると、別に女性に声をかけるでもなく、微妙な距離を保ちながらただその後をつけている。本を物色しながら棚から棚へと移動する女性の後を、自らの存在を消すかのように軽やかな足取りで追うその男。

気がつけば、私はその男の後をつけていた。

別に女性が心配なわけでも、ましてや男が気になるわけでもない。ただ少し、尾行の気分を味わってみたかっただけかも知れない。

女性を尾行する男を尾行する私。

本屋の中を回遊する奇妙な集団だなぁ、と考えて軽くほくそ笑んだ次の瞬間、足を止めて後ろをバッ!と振り返った。

その私を尾行してる者がいるかも知れないからである。
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by erenoa70 | 2008-09-19 09:12 | Stupid