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カテゴリ:Movie( 775 )
「コーマン帝国」を観ましたよ
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新宿武蔵野館で「コーマン帝国」を観ましたよ。

これまで500本以上の映画を手がけてきた御大ロジャー・コーマンの功績を讃えるドキュメンタリー。変にマニアックになり過ぎず呑気なくせに、めちゃくちゃ情熱的でスゴく良かった。

コーマンさんが作ってきた低予算のモンスターやSFのいわゆるB級映画は、主に暇でモテない男性に向けて作られたもので、なによりビジネスとして儲ける事が至上命題となる。しかしそうした銭勘定の一方でコーマンさん自身が芸術家としての評価を欲しがっていたという部分が興味深い。

どうしたらその暇でモテない男の財布のヒモを緩める事が出来るか?という問いに「爆発&オッパイ」とズバリ答える潔さといったらないわけですが、もう一つ「作品はやや左寄り、反体制であること」が儲ける条件に入っている。

仮に映画が欲望を満たす為のものだとしたら、何もかも忘れてパーッと楽しもうというだけでなく、そこに現実の不満や憤りを描く事もまた必要で、またそれが商売になるという理屈が大人の事情すぎてたまらない。

そうした姿勢に惹かれて映画の道を志す若者たちが彼の周りに集まり、アメリカのみならず世界の映画界を支える人材を輩出しているのも改めて考えるとスゴい話。

その偉業を称えられアカデミー賞の名誉賞を授与するクライマックスで、若い映画製作者たちへ向けて発せられる御大の言葉はとても85歳を超えたクソジジイとは思えないほどエネルギッシュかつ挑発的で素晴らしかった。そんな気はなかったのに思わず勇気づけられました。

あと決して臆する事なく「コーマン帝国、コーマンコーマン」と連呼していた劇場の女性スタッフもプロとして素晴らしかった。
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by erenoa70 | 2012-04-24 18:46 | Movie
「ビースト・ストーカー/証人」を観ましたよ
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シネマスクエアとうきゅうで「ビースト・ストーカー/証人」を観ましたよ。

逃げる犯人、追う刑事、それに巻き込まれてしまった気の毒な母と子が、さらに気の毒なことになっていく香港製のクライムサスペンス。

気の毒なのは母子だけじゃなく、この映画に出てくる人はみんな身体的にでも、精神的にでも、もれなく気の毒な事になっていくから大変。それを過剰すぎるドラマ性とアクションで表現していく。

近年、こうしたテイストは韓国映画にお株を奪われている感がありますが、負けてらんねえ!という香港映画の意地を感じさせてくれる。この熱気にあてられ、「やりすぎだよ!」という展開にも思わず引きずり込まれてしまいました。

身体に傷を負う、また負わせるという事が必要以上に痛々しく描かれているのも良かった。それが自分の傲慢さから生まれてしまった無念さや後悔を思うと、登場人物たちに同情して胸が締めつけられる思いがする。

そしてラストで明かされるのは、その締めつけられた胸をさらにブン殴ってえぐるような事実で、何だかこっちまで気の毒な人になってしまった気にさせられました!
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by erenoa70 | 2012-04-19 17:24 | Movie
「ドライヴ」を観ましたよ
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新宿バルト9で『ドライヴ』を観ましたよ。

昼は映画のスタントマン、夜は犯罪者の逃亡を手助けする天才ドライバーが、とある人妻と出会った事からトラブルへと巻き込まれていくノワールもの。

すごく不思議な映画で、見終わってしばらく経つのに自分の中でまだ評価が定まらなくて、スゲエなって部分と、どうかなって部分がある。

スゲエなってのは、謎の男・女・金・車というおなじみの材料を使いながらもオリジナルな作品に仕上げている部分で、余計な状況説明をせずに余白を残すことで登場人物たちへの興味を最後までグッと惹きつける。唐突に出てくる(ホントに唐突)グロ描写もとてもいいアクセント。

どうかなってのは、やはりセリフが少ない代わりに音楽が効果的に使われていて、またこれがセンスのいいエレクトロとか流すからパッと見はオサレな雰囲気映画に思えてしまう部分。良い部分の裏返しではあるけども、観る人をかなり選ぶよなーと。それをこの題材でやる事への違和感はあります。

ただ、これまでの犯罪映画を咀嚼しながら完全に変なものを作ったことの驚きはあります。人によっては人生の一本になり得る作品。

あと主人公のゴズリングさんが着てるサソリのジャンパーが超カッコ良かったけど、たぶん俺が着たらバカみたいだろうなあ・・・とガッカリしながら新宿のネオンへと姿を消しました。
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by erenoa70 | 2012-04-18 12:36 | Movie
「スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜」を観ましたよ
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新宿ピカデリーで「スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜」を観ましたよ。

大統領予備選を巡って繰り広げられる、選挙参謀たちのドス黒い駆け引きを描くジョージ・クルーニー監督のポリティカル・サスペンス。

新しい季節が始まり、そろそろ新入社員に向かって上司のオッサンが「大人は汚いよー怖いよー」みたいな意味の無いハッタリをかましてる頃ですが、この映画に出てくる大人たちはハッタリじゃなくホントに汚くて恐ろしい。

世界情勢を左右するアメリカ大統領選が舞台だから綺麗ごとじゃなく厳しいのは当然だけど、ここまで人間の情や情けが役に立たないとなると、もう夢も希望も無いんじゃないかという気持ちにさせられる。

しかもそれを見せつけるのがベテラン選挙参謀のシーモア・ホフマンとポール・ジアマッティの両雄。どちらもけっして感情的にならず理詰めで追い込み、時には悲哀の表情を携えつつバッサリ目の前の人間を切り捨てていくので思わず謝りたくなる。まあ謝ったって聞いちゃくれないけどな。

そんな妖怪たちに翻弄されるのがライアン・ゴズリング。カッとなって怒鳴り散らしてしまうあたり、まだまだ小僧だなという気はしますが、その感情と引き換えに政治の世界で生きていく術を身につけていく。もともと何を考えてるかよく分からない顔してるし適役だと思いますゴズリングさん。

当の大統領候補を演じているのはジョージ・クルーニーですが、先月はスーダンへの人道支援を求める抗議活動で逮捕されるなど、元から政治的意識の高い人。それだけにこの作品に込められたメッセージも色々な見方が出来るし、自らの人脈を活かしたキャスティングと手堅い演出でそれを商業ベースに乗せるという大人ぶりを発揮しています。

きっとポール・ジアマッティあたりは「ある夜、突然ジョージから電話があってね。『ポール、今年のバカンスはキャンセルだ!』なんて言うもんだから、すぐにピンときて出演を決めたよ。まだ脚本も読んでないのにね(笑)」とか何とか言ってるんじゃないかと想像。
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by erenoa70 | 2012-04-13 04:20 | Movie
「総天然色ウルトラQ」BD発売記念オールナイトイベントに行ってきましたよ
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3月30日に新宿ミラノで開催された「総天然色ウルトラQ」BD発売記念オールナイトイベント"たいせつなことはすべて怪獣がおしえてくれた"に行ってきましたよ。

「ウルトラQ」がデジタル技術でカラー化されると聞いて、最初はそれってどうなの?と思ったけど、この作り込み方と出来映えはちょっとハンパない。日米印のスタッフ200人以上が2年以上をかけて作業したという規模なだけあって、これはBDが結構なお値段するのも納得。

この日に上映されたのは全27話の中から10本。第一話に登場したゴメスに始まりガラモン、ペギラ、カネゴンにケムール人までたくさん怪獣が見れて大満足。特に「カネゴンの繭」はカラーになるとまた印象が違った。子供たちが主役なのでカラーで賑やかな感じが増してるしカネゴンは可愛いしでオリジナルより数段良かった。

また上映前には、みうらじゅん&町山智浩のトークショーもありました。ちょっとだけかと思ったら90分くらい怪獣の話しててスゲー楽しかったけど、みうらじゅんが子供の時に怪獣のマネをしていて、「怪獣は服なんて着てないんだから、俺も裸じゃないといけない」と思い立ち、パンツ一丁で布団の山なんかを崩して暴れてたらお父さんに見つかったというエピソードも良かったです。怪獣、最高!


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by erenoa70 | 2012-04-10 19:14 | Movie
「トロール・ハンター」を観ましたよ
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TOHOシネマズ日劇で「トロール・ハンター」を観ましたよ。

ノルウェー政府は隠蔽しているが、北欧の妖精・トロールは本当に実在する!いやマジでマジで本当に、というモキュメンタリー・ホラー。

さすがにこの手のものは食傷気味で、予告編を見ても「よくやるよ!」くらいの印象しか無かったけど観てみないと分からないもので、ホントに良く出来ていて愛すべき作品。すげー楽しかったです。

トロール・ハンター業を営むオッサンの仕事ぶりをカメラが追いかける形で映画は進むわけですが、カメラに写るものと写らないもののバランスが絶妙で、駄目なモキュメンタリーにありがちな興ざめする部分が一つもない。

トロールの姿も出し惜しみせず、見せる時は思いきりババーン!と出るし、もっと見たいなと思うあたりでサッと隠れるから憎たらしい。トロールに色んな種類がいてサイズも特性も様々なのも良かった。

何より、熟練したトロール・ハンターの職人仕事には目を見張るものがある。長年の勘と経験をたよりに獲物を探し出し、DIY精神に溢れた武器で戦う。時には「この仕事なんて深夜手当ても出ないし辛いんだよ・・・」と愚痴ったりもするけれど、命をかけ自らの仕事を全うしようとする。

その背中を見ていると、労働とは?仕事とは?生きがいとは?と考えざるを得ません。トロール云々はともかく、そう思ったのは本当に本当です。
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by erenoa70 | 2012-04-06 09:59 | Movie
「ヒューゴの不思議な発明」を観ましたよ
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新宿バルト9で「ヒューゴの不思議な発明」を観ましたよ。

駅の時計台に暮らすヒューゴ君がキテレツな発明をする話・・・ではなく、映画創成期に活躍したジョルジュ・メリエスの伝記映画であり、映画についての映画でもある。そうと知ってはいたけど、あまりに物語そっちのけでM・スコセッシの映画に対する熱い想いが3Dでガンガン飛び出してくるのでビックリ驚いた。

色んなものがあって、そのどれも好きだけど、映画というのは基本的に発明であり、冒険であり、マジックであり、夢でなければいけない。そんなセンチメンタルで気色悪い感想の一つも言いたくなるくらい純粋な気持ちで観ていました。

冒頭から5分くらいの3D効果はホントに驚くし、サイレント映画を今の3D技術で蘇らせるのも凄く意味のある試みだと思う。ヒューゴが時計台という機械の中から人々の生活を覗いているという設定も、主人公自身が映画の映写技師のような立場と重なって思えるからホントに映画づくしの作品だなあと。

(ここからネタバレあり)もう一つ、映画の定義としてハッとさせられたのはクライマックスでメリエスが映画の上映前に観客へと投げかける「これから皆さんは手品師になるのです」という言葉。製作者側が手品師というのなら分かるけど、観客が単なる傍観者ではなく、マジックを作り出す張本人であるといのは今の自分から抜け落ちていた発想かも知れないと猛省しました。

物語としては不格好なんだけど、映画に対する視線を洗われたよう。劇場を出た僕の瞳はすごくキラキラとして澄んでいたと思います。今はまたクソみたいに濁ってきたけどな。
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by erenoa70 | 2012-04-04 11:31 | Movie
「アタック・ザ・ブロック」を観ましたよ
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シネクイントのプレミア上映で「アタック・ザ・ブロック」を観ましたよ。

ロンドンにエイリアンが襲来!迎え撃つは団地で悪さして暮らすクソガキども!というプロットだけでも楽しげな、エドガー・ライト一派が贈るSFホラー。

上映後のQ&Aで監督が言ってたけど、やはり「グレムリン」や「クリッター」に影響を受けているそうで、そこへ子供が主人公の「グーニーズ」や「ドラキュリアン」を加えた80年代テイストが色濃く残る。

ただあくまでテイストであって、今の時代にうまくアジェストして単なる懐古趣味だけに終わってないのがすごく良かった。

それは主人公たちがいわゆる子供らしい子供ではなく、憎たらしいDQNという部分に顕著ですが、80年代だったらこうはならないというハードさ。子供たち(といっても15歳くらい)はエイリアンだけでなく警察や地元を仕切るギャングからも追われ、団地という多くの人がいる場所にいながら孤立無援の戦いを強いられていく。

そんな手厳しい状況の中でBMXや原チャリを駆ってエイリアンから逃げ、花火で応戦し、自分たちに反感を持つ年上の女性と行動を共にするという、いつかどこかで見た懐かしさとのアンバランスが楽しすぎる。

あとエイリアンのデザインもよく考えられていて大変感心しました。あれフィギュア欲しいな。ぬいぐるみでもいい。

公開は6/23からだそうです!面白いよ!

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by erenoa70 | 2012-04-02 19:07 | Movie
「SHAME -シェイム-」を観ましたよ
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シネクイントで「SHAME -シェイム-」を観ましたよ。

金も地位もルックスも持ち合わせているのに、セックスの事しか考えられないという何だか困った男のお話。

舞台がニューヨークという事もあって「アメリカン・サイコ」を連想させられました。外から見れば何の不自由なく見えるけど、当の本人は全く満たされてないという。その飢餓感をクリスチャン・ベールは殺人で埋めてたけど、本作のマイケル・ファスベンダーはセックスやオナニーで満たしていく。

殺人はともかくオナニーなら別にいいじゃねえかと思うけど、そこに妹のキャリー・マリガンが転がりこんできて悠々自適だったオナニーライフを乱し始めたからさあ大変・・・なんて書くとアレだけど要するにこういう話だよね。

でもこれを説明を徹底的に排除して示唆に富んだ演出でグイグイ見せていくからこっちは考えざるを得ないわけです。彼はどうすれば満たされるのか?彼にとっての"恥(シェイム)"とは何なのか?

最後の最後までこっちに委ねてくるからすごく疲れるんだけど、いい映画を観たなーという気持ちは十分に満たされました。

あとマイケル・ファスベンダーが全裸で部屋をブラブラ、ブラブラするので面白いです。
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by erenoa70 | 2012-04-01 05:36 | Movie
「ヤング≒アダルト」を観ましたよ
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新宿武蔵野館で「ヤング≒アダルト」を観ましたよ。

高校時代は女王様だったものの、すでに何やかんやで37歳独身、ライター稼業もパッとせず、散らかった部屋に犬と暮らし酒と男で寂しい夜をやり過ごすシャリーズ・セロンさんが元カレに子供が産まれたことを知って里帰りします!

この時点でもうイヤな予感しかしないわけですが、大方の予想通り故郷では目も当てられない惨劇が待ち受けている。

学生時代の栄光や思い出にすがって生きていく人というのは確かにいるし、その当時に貼られたレッテルというのは中々剥がしづらいわけですが、そうした人間関係や価値観というのは自らの意思で変えていく事が出来るし、またそれを成長と呼ぶのかも知れないけど、そう上手くはいかねえよっていうね。

主人公もご他聞に漏れず、学生気分のままの高飛車な態度で周りを見下したりするので思いきりドン引きされてしまう。

そうなるのは分かっているのに帰ったんだろう?と思うんだけど、彼女が何度か元カレに会うたびに本気の化粧をするんですね。二日酔いでボサーっとした顔が徐々に美人になっていく。他の人はこっちでいうユニクロやしまむらファッションなのに明らかにやりすぎなビジュアルで出かけるわけです。

おそらく彼女も自分の置かれた状況はうっすら分かっているからこそ、ガッチリした鎧をまとって戦いへ臨むのかなと。だからこそ悲壮感が見え隠れするし、また完璧な美人ではあるんだけど四十手前ともなるとさすがに衰えは隠せないという残酷さにも泣けてきました。

最後の修羅場で明かされる事実と、その後に訪れるささやかな時間は笑う事も蔑む事も忘れてひたすら優しい気持ちになる。それを経てなお、あんま改心しないシャーリーズ・セロンさんに惚れ直した。
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by erenoa70 | 2012-03-30 19:20 | Movie