「ほっ」と。キャンペーン
ブログトップ
<   2012年 02月 ( 11 )   > この月の画像一覧
「メランコリア」を観ましたよ
a0012356_16343487.jpg
新宿武蔵野館で「メランコリア」を観ましたよ。

ラース・フォン・トリアーさんが撮り上げたディザスタームービーは、地球の危機と鬱病を同列に扱うといういかにもな仕上がり。もちろん彼の代名詞であるバッドエンドを迎えるわけですが、今回はなぜかとても風通しがよく、清々しく感じました。

結婚式を迎えた花嫁のキルスティン・ダンストは式の最中に奇行を繰り返して様々な人間関係を台無しにしてしまう。はっきり名言はされないけどダンストは鬱病で、精神のバランスが取れていないことがガンガンに伝わってくる。

前作よりもさらにトリアー自身が鬱病で苦しんでいたことが全面に出ていることもあり、病気になった理由や原因には(それらを匂わせる要素はあるものの)触れられておらず、ただただ彼女が「壊れてしまった」ことが表現されている。

そこへ小惑星"メランコリア"が衝突して地球が壊れるという終末が重なるわけですが、そこでグズグズ言わない、混じりっけなしの境地に達したダンストさんの表情といったらない。

この辺の表情の作り方は相変わらず美人なんだかブスなんだか分からなくてダンストさん流石。表情といえば姉を演じるシャルロット・ゲンズブールも凄くて彼女が不安げな顔をすると「本当にマズイぞ」という気になるからトリアーが気に入るのも納得。

また冒頭を始めとして印象的なイメージ映像の作り込みはやはり目を惹く。この思いきり暗くて辛気くさいはずなのに、どこか美しいものを見ていると錯覚させるトリアーさんのやり口は嫌いじゃないです。
[PR]
by erenoa70 | 2012-02-22 14:01 | Movie
「ペントハウス」を観ましたよ
a0012356_1544504.jpg
TOHOシネマズ 有楽座で「ペントハウス」を観ましたよ。

NYマンハッタンにそびえ建つ高級タワーマンションのペントハウスに暮らす大富豪に金を騙し取られてしまった従業員たちが、その金を取り返すために復讐を試みるというクライム・コメディ。

ほんの一部の大富豪だけが金を手にするという題材は、言わずもがなウォール街のデモを連想させ、虐げらてきた"持たざるもの"たちの逆襲はとにかくスカッとさせてくれます。

キャスティングも見事で、相変わらず普通なベン・スティラーを筆頭に、コソ泥にエディ・マーフィ、破産した金融マンにマシュー・ブロデリック、頼りになる黒人メイドにガボレイ・シディベ、おまけにマイケル・ペーニャという面々。

ただ監督のブレット・ラトナーが細部にはこだわらず勢い一発で仕上げてしまった印象もあるのがちと残念。もしコメディ畑の監督だったらもっと笑えて皮肉も効いたものになってた気がします。

とはいえ、ベン・スティラーが見せるドヤ顔には金を払う価値は十分にある。観に行った劇場も意外と混んでいて、これはようやくベン・スティラー人気が日本にも根付いたか、かつてのエディ・マーフィのファンが大挙して押し寄せたかのどっちか。
[PR]
by erenoa70 | 2012-02-21 16:15 | Movie
「小悪魔はなぜモテる?」を観ましたよ
a0012356_10573689.jpg
DVDで「小悪魔はなぜモテる?」を観ましたよ。

エマ・ストーン主演で評判の高かった学園コメディ「Easy A」がこんな邦題でDVDスルーされてしまったわけですが、なぜ劇場公開しなかったのか全く理解できないくらいスゲー面白かったです。

地味で目立たないエマ・ストーンがまだ処女なのに「SEXした!」とウソついたら一気に"ヤリマン"の烙印を押されてしまう。またその真相を知ったモテない童貞たちから「君とヤったことにしてくれないか」という必死なお願いを引き受けてしまうからさらに大変なことになっていく。

女子高校生が処女じゃない、というだけでボロカスに言われるカトリックのモラル、授業で出てくる姦通を題材にした小説「緋文字」の取り扱い(「ラブ・アゲイン」でも子供の授業で出てきた)等から、日本とは随分と事情が違うので少し違和感はありますが、性に対するコンプレックスはいつの時代も万国共通で重要な課題だし、ヤリマンだビッチだと罵倒され、友達を失いながらも自らのウソを背負ってタフに生き抜いていく主人公には思わず憧れそうになります。

青春映画の定番である主人公のモノローグがネットで生中継される形になっていたり、ジョン・ヒューズを始めとした80年代学園ものへの敬愛など、映画的な工夫にも溢れまくっているのも素晴らしい。

なによりこの映画のエマ・ストーンの可愛らしさと言ったら!コロコロと表情を変え、大暴れして歌い踊る彼女に釘付けになります。これでモテないとかありえねえよ!とは思うけど可愛いから許す!傑作!


[PR]
by erenoa70 | 2012-02-19 12:18 | Movie
「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」を観ましたよ
a0012356_158372.jpg
ヒューマントラストシネマ渋谷の企画上映【未体験ゾーンの映画たち2012】で「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」を観ましたよ。

人里離れた山奥でキャンプを楽しむ大学生たち。そこで彼らを待ち受けていたのはいつもの恐ろしい殺人鬼・・・じゃなくてただの仲良し二人組でした!というホラー・コメディ。

たぶん俺も「この先に店はないよ」と言われた田舎の(雑貨屋を兼ねた)ガソリンスタンドで地元の労働者たちにジロジロ見られたりしたら「殺されちゃう」とビビリますが、本作の大学生たちも仲間の一人がいなくなったら見た目が怪しいというだけの二人組を「あいつらが拉致した!殺される!」と勘違いしてしまう。

ところがこの二人はトイレの修理屋を営む至って普通の好青年で、コツコツ溜めた金でようやく手に入れた山小屋の別荘へ遊びに来てただけというから泣けてくる・・・

とにかくこの世界中が慣れ親しんだ設定を逆手にとったアイデアが楽しい。そして勘違いした大学生たちが勝手にガンガン死んでいくからさらに事態はややこしくなるわけですが、そのお話の中心にあるのはタッカーとデイルの似た者同士の友情で、このあたりは「宇宙人ポール」を彷彿とさせ暖かい気持ちにさせられます。

まぁ全体的に大味なんで消化不良な部分もあるけど、とにかくこの二人がいいヤツすぎて細かいことはどうでも良くなるよ。

さんざ笑った帰り道、「人を見た目で判断してはいけないな」との思いを新たにしました(真顔で)。
[PR]
by erenoa70 | 2012-02-18 10:07 | Movie
「ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵」を観ましたよ
a0012356_11545452.jpg
ヒューマントラストシネマ渋谷で「ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵」を観ましたよ。

中世を舞台にしたダークファンタジー漫画の映画化。身体よりも大きな剣を振り回して戦う傭兵、という設定は昔話みたいで大好きですが、この三部作の序章で描かれるのは男同士の絆とそれに嫉妬する男勝りの女兵士の三角関係だったりします。

モーションキャプチャーを使用した戦闘シーンが見所ということで、確かにキャラクターたちは大変滑らかに動くし迫力もある。

しかしそれらは同じく中世を舞台にしたハリウッド大作などで見たことのあるカメラワークだったり構図だったりしてオリジナリティに欠けるというか、アニメなんだからもっと派手に動いてもいいのにと思ったりしたけどそれをやると原作のイメージを損なうだろうしなかなか難しいとこです。

また上映時間が90分もなくてサクッと見れる反面、どうしたって物足りない部分もある。聞けば最初は2時間30分で一本だった企画が三部作になったり、エンドロールで延々と流れる謎のIDがTwitterのアカウントを使ったプロモーションだったりと、色々と厳しいんだなあと思いました。
[PR]
by erenoa70 | 2012-02-17 12:16 | Movie
「ジャックとジル」を観ましたよ
a0012356_8562255.jpg
新宿ピカデリーで「ジャックとジル」を観ましたよ。

広告代理店に勤め社会的に成功をおさめたアダム・サンドラーの家にかなり面倒な性格の双子の妹がやって来て大暴れする、安心のハッピーマディソン製コメディ。

なんでもラジー賞の候補になってるとかでファンとしては心外なんだけど、兄と妹を演じ分けるアダム・サンドラーの一人二役はズバリいって気色悪いし、いつにも増して子供みたいなウンコ、オナラネタが多いので仕方ねえ。

とはいえかなり笑ったし俺は大満足。主人公たちだけではなく、サブキャラがみんな濃くて面白いし、最後にはホロッとさせてくれる。

つまりいつもと全く一緒なわけですが、ここまで安定してくると"アダム・サンドラー・ユニバース"とも言える一つのジャンルと化している気もする。基本的に主要人物がみんな善人であるという性善説に乗っ取ってるから差別ネタも安心して思いきり笑える。

今回は妹に一目惚れしてしまう役でアル・パチーノが本人役として大はしゃぎしてるけど、このジャンルに上手いこと取り込まれて「凄いいい人なんじゃないか、アル・パチーノさんは」と思ってしまうほどです。
[PR]
by erenoa70 | 2012-02-14 12:42 | Movie
「アニマル・キングダム」を観ましたよ
a0012356_16162341.jpg
新宿武蔵野館で「アニマル・キングダム」を観ましたよ。

お母さんを亡くした少年が引き取られたお婆ちゃん家は凶悪犯罪を生業とする一家でした、というクライム・サスペンス。

家や家族が持っている、いつも迎え入れてくれる暖かさと、そこから抜け出せない呪縛の二つが描かれていて見応えがあり面白かったです。

家族や近親者内で行われる猟奇犯罪で興味を惹かれる事の一つに"誰かおかしいと思わなかったのか?"という疑問があるわけですが、これはやはり理屈じゃ答えは出ないんだなあと。毎日同じ家にいて寝食を共にする中でどんな事でも生活の一部になっていく。生活を止めるわけにはいかないから、それが普通ですけど何か?となる。

本作の家族も次々と危機的な問題に直面するわりには呑気に飯食ったりゲームしたりする生活は止めない。そんな家族を繋ぎ止め、維持させるのがママが息子たちへ行うキス&ハグなんだからママ最強。

ラストでもそのハグが象徴となり、大きなポイントになっているのが興味深かったです。またそれが主人公の少年の自立や成長にも繋がっているからタイトルの仰々しさに負けない堂々とした作風になっています。

どうでもいいけど「アニマル・キングダム」って直訳すれば「動物王国」か(本当にどうでもいい)
[PR]
by erenoa70 | 2012-02-12 17:42 | Movie
「J・エドガー」を観ましたよ
a0012356_6303066.jpg
TOHOシネマズ六本木で「J・エドガー」を観ましたよ。

FBI初代長官エドガー・フーバーの伝記映画でありながら、隠れゲイと噂されていた彼の恋ごころまでを描いたC・イーストウッド監督作。

フーバーの正義感と権力欲、また分析力と行動力は常軌を逸したレベルであり、その落ち着きの無さは一種の発達障害のようにも思える。物語はそんな彼の精神状態に沿うように回顧録を記述する現代と当時の様子が複雑に交差しながら進んでいく。

共産主義を憎み、黒人公民権運動を疎ましく感じるというアメリカらしい秩序のもとに剛腕を振るう"タフガイ"でありながら、自らのセクシャリティーはマイノリティーであるという自己矛盾を抱えるフーバーの怪人ぶりがとにかく魅力的。

その彼を支え、生涯のパートーナーとなるトルソンとの関係性はすごく細やかに描かれていて、おそらく大々的にゲイ描写を入れる事には色々な問題もあったと思うんだけど、その慎ましい描写が逆に二人の信頼関係を表してして、ラブストーリーとしても見応えがありました。

俺の前の席で観ていた年配の夫婦が、唐突に訪れるキスシーンで「うわっ!」と声をあげ驚いてたのも面白かったです。
[PR]
by erenoa70 | 2012-02-09 08:09 | Movie
「RUBBER ラバー」を観ましたよ
a0012356_19415692.jpg
ヒューマントラストシネマ渋谷の企画上映【未体験ゾーンの映画たち2012】で「RUBBER ラバー」を観ましたよ。

捨てられた古タイヤがひとりでに動きだし、殺人タイヤとなって人々を襲うという一風変わったホラー。無機物が主人公というだけで興味をそそられたわけですが、期待してたものとはちょっと違う作風だったのでちと残念。

オープニングから保安官が出てきて「これがいかに意味の無い映画か」という事を語りかける。その側には双眼鏡で物語の行く末を見守る観客たちがいて、登場人物たちは自分が"お芝居"をやっていることを自覚したりしてなかったりする。

そうしたメタ・フィクションな作りは嫌いではないし、無意味を追求するのは素晴らしい事だとも思っているけど、無意味をアピールするほどそれ自体が意味を持ってしまうから難しい。

タイヤ君がゴロゴロ転がっていく姿は楽しいのでもっと見ていたかった。もうひたすらタイヤがゴロゴロ転がっていく様子を追うBBC製作みたいな自然ドキュメンタリーとしてリメイクしないかな。しないか(自己完結)。
[PR]
by erenoa70 | 2012-02-06 20:47 | Movie
「預言者」を観ましたよ
a0012356_764074.jpg
ヒューマントラストシネマ渋谷で「預言者」を観ましたよ。

19歳のアラブ系の青年が、多様な人種がうごめくフランスの刑務所で逞しくサバイブしていく姿を描いた2009年のカンヌグランプリ作品。

読み書きも出来ないただの小僧が塀の中で悪い大人に揉まれながら学び、鍛えて、一人前の男になっていく。ちょっとでもボサっとしてたら命を落としてしまうノワールものの緊張感と成長譚がうまく絡み合った傑作だと思います。

面白いのは刑務所が意外と自由でラフなこと。個室にはテレビもあるしコーヒーも飲める。面会室に娼婦も呼べるしマジメにやってればたまに外出も出来ちゃう。そんなズボラでいいのかよ!とは思うものの、そのおかげで塀の中も社会の一部であり、そこで生き抜いていく青年が特別な人間ではないことを実感出来る。ついでに正義や倫理のボンヤリ加減も実感出来る。

塀の中を仕切る組織から依頼された取引きを任されるまでになった青年が、飛行機に乗って出張したりもするわけですが、始めて飛行機に乗ってワクワクが押さえきれないという場面はすごく良かった。飛行機、たのしいよな!

その確かな成長の跡がバッチリ表現される、良いんだか悪いんだか分からないラストシーンが美しくてグッとくる。

俺も「一度は刑務所に入っておけば良かった」とか舐めた事を吹いてた時期がありましたが、これはタフじゃないと勤まらない。塀の外で地道に鍛え直すことにします。
[PR]
by erenoa70 | 2012-02-05 08:17 | Movie