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「ヤング≒アダルト」を観ましたよ
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新宿武蔵野館で「ヤング≒アダルト」を観ましたよ。

高校時代は女王様だったものの、すでに何やかんやで37歳独身、ライター稼業もパッとせず、散らかった部屋に犬と暮らし酒と男で寂しい夜をやり過ごすシャリーズ・セロンさんが元カレに子供が産まれたことを知って里帰りします!

この時点でもうイヤな予感しかしないわけですが、大方の予想通り故郷では目も当てられない惨劇が待ち受けている。

学生時代の栄光や思い出にすがって生きていく人というのは確かにいるし、その当時に貼られたレッテルというのは中々剥がしづらいわけですが、そうした人間関係や価値観というのは自らの意思で変えていく事が出来るし、またそれを成長と呼ぶのかも知れないけど、そう上手くはいかねえよっていうね。

主人公もご他聞に漏れず、学生気分のままの高飛車な態度で周りを見下したりするので思いきりドン引きされてしまう。

そうなるのは分かっているのに帰ったんだろう?と思うんだけど、彼女が何度か元カレに会うたびに本気の化粧をするんですね。二日酔いでボサーっとした顔が徐々に美人になっていく。他の人はこっちでいうユニクロやしまむらファッションなのに明らかにやりすぎなビジュアルで出かけるわけです。

おそらく彼女も自分の置かれた状況はうっすら分かっているからこそ、ガッチリした鎧をまとって戦いへ臨むのかなと。だからこそ悲壮感が見え隠れするし、また完璧な美人ではあるんだけど四十手前ともなるとさすがに衰えは隠せないという残酷さにも泣けてきました。

最後の修羅場で明かされる事実と、その後に訪れるささやかな時間は笑う事も蔑む事も忘れてひたすら優しい気持ちになる。それを経てなお、あんま改心しないシャーリーズ・セロンさんに惚れ直した。
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by erenoa70 | 2012-03-30 19:20 | Movie
「へんげ」を観ましたよ
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シアターN渋谷で「へんげ」を観ましたよ。

旦那さんの様子が徐々におかしくなり、異形の者へと姿を変えていってしまうというホラー。自主制作ながらあまり安っぽさが目につかず、しっかり作られています。

日常が段階を踏んで歪んでいくという演出は本当に上手くて恐ろしい。その本筋とは別に奥さんが女としての顔を覗かせ結婚生活自体をもパッと止めてしまうのではないかという緊張感もあって、だからこそ最後のセリフが効いてくる。

全体を通して上手いなーという印象なわけですが、評判のラストは個人的にはイマイチでした。それまで歪ませてきた非日常が(映画的には)見慣れている日常になってしまい、着地がきれい過ぎるんじゃねえかと。

とはいえ、誰かが言ってたけどにの監督にある程度の予算とプロデューサーを与えればメジャーで面白い娯楽作は明日にでも出来ると思うから割と本気で期待しています。
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by erenoa70 | 2012-03-27 15:26 | Movie
ビンタ日和 〜赤い激突〜
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中学三年の一年は人生の中で最も大人に怒られた年だと言える。

放課後に友達と学校に残り何をするでもなく暇を潰すのが好きだった。授業中から今日はどうやって暇を潰そうかと考えるのに忙しく、実際はそこまで暇ではなかった。

他のクラスの黒板に怪文書を描いて回り、部活動に性を出す同級生たちの横でプロレスの練習に勤しむ。学校という限定された場所で、いかにムダに時間を使って楽しむかという事に命を懸けていたと言ってもいい。

その日は「学校中の消化器を集めよう」という事になった。誰が言い出したかは分からない。その理由はもっと分からないが僕らは考えるより先に走り出し、教室や理科室、図書館、用務員さんの部屋から果ては職員室にまでプリントを提出するフリをして忍び込み華麗に消化器を持ち去っていく。

もちろん誰にも見つかってはいけない。制服の脇にそっと消化器を忍ばせ素知らぬ顔で姿勢正しく歩く。その消化器のひんやりとした重さも手伝ってこの秘密活動には使命感すら帯びてきた。

気づけば廊下の片隅に十数本もの消化器がズラリ揃う。しかし誰も喜びの声を上げる者はいない。誰かがそっと消化器に手をかけた。他の皆もそれに続いた。

しだいにそれは真っ赤な扇形を描き、ボウリングのピンとなる。さしずめ廊下は自分たち専用のボウリングレーンである。

誰ともなくボウリングのボウルを投げるマネをしてみせた。もちろん消化器のピンは倒れることは無かったが、どこかでガラガラと崩れる音が聴こえる気がした。

そして思いきり先生たちに怒られビンタを喰らった。まだまだ乾燥する日が続きます。皆様、火事には十分お気をつけ下さい。
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by erenoa70 | 2012-03-21 23:58 | Stupid
「戦火の馬」を観ましたよ
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新宿バルト9で「戦火の馬」を観ましたよ。

第一次大戦を生き抜いた少年と馬の物語、と聞いて「名作くせえ」と半分バカにしてたのはこの俺です。ただ見終わったらスゲーなー!と感嘆してしまったので同じような理由で敬遠してる人がいたら思いきり損してます。

少し前に日本にも来た「ジンガロ」という馬と人間の舞台で、静まり返った円形の劇場の中心で馬が桶の中の水を飲む姿をただただ見せるという場面があると知って無条件に「それはイイ!」と思った記憶があります。どこかの紹介記事を読んだだけで実際に観てないから知らないけどな。

これに限らず、馬という生き物は非常に"絵になる"わけですが、本作の主人公である馬のジョーイは優雅さとラオウの黒王号ばりの屈強さを持ち合わせる。

少年と離れ、戦場に駆り出されるジョーイさん。時に地を駆け、時に傷つき、友達になった馬の身代わりになったりもします。ドイツ軍の戦車とタイマン張る場面はもちろん、農作業でもスゲーと思わせるからただ事ではない。

極めつけは砲弾や銃弾が飛び交う中、どこへ向かうとも知れずボロボロになりながらも全力疾走する場面で俺なんて思わず号泣させられちゃってもうジョーイさん最高!

個人的には希望だとかはどうでもよくて、全体を通して活劇になっているところが本当に素晴らしかった。ジョン・ウイリアムスの旋律は分かっていながらグッときてしまうし、やっぱスピルバーグには敵わねえよ。

あと人間の問いかけに対して無表情な動物、というカットはやっぱり面白い。どの映画でも大好きな場面です。
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by erenoa70 | 2012-03-18 20:52 | Movie
「タクティカル・ユニット 機動部隊-絆-」を観ましたよ
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シネマート六本木で「タクティカル・ユニット 機動部隊-絆-」を観ましたよ。

香港警察の先鋭が結集した特殊機動部隊、通称PTUは燃え盛る正義を胸に秘め、今日も巨悪に立ち向かう・・・はずが、チーム同士の対立が激しいだけでなく出世争いも絡んで結束はメチャクチャ。そこに強盗事件が発生。銃で武装した犯人グループを追うのだが・・・というお話。

ジョニー・トーの傑作「PTU」のスピンオフ作品で、スタッフ&主要キャストもお馴染みの顔ぶれという安心のトーさんクオリティ。

特に今回はいつも食っちゃ寝してるラム・シューさんがいつも以上に食っちゃ寝に徹しているのが良い。本当はそれ以外の事もやってた気もするけどそれしか印象がありません。勝手に他の人の弁当食ったりしてさー

もちろん、そんな呑気な映画ではなくバラバラだったメンバーが想いを一つにして強盗たちに立ち向かっていく姿はいつもの侠気モード!その想いが強さからか、全員で必要以上に強盗に攻撃を浴びせ半泣きにさせるのも見物です。

市街戦ではなく山の中でのサバイバルが主になるので予算が無かったのかな・・・とも思うし、時おり緊張感を削ぐような演出もあったりするので残念な部分はありますが、それでも十分に楽しいのがこの一座の強み。

邦題にある「絆」というキーワードは安易にも感じたけどこの一座の事と思えば納得!もう劇場公開は終わってますが、来月にはDVD出るのでぜひ。


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by erenoa70 | 2012-03-12 02:19 | Movie
「POV~呪われたフィルム~」を観ましたよ
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TOHOシネマズ渋谷で「POV~呪われたフィルム~」を観ましたよ。

女優の志田未来がMCを勤める携帯用動画番組の収録中に次々と怪現象が起こる。その原因は共演者である川口春奈の母校にあるらしく、番組は霊能者と共に現場へ向かう・・・というホラー。慣れてるつもりだけどスゲー怖かったです。

いわゆるJホラーのグル、鶴田法男監督がネットの心霊動画から学校の怪談まで、およそこれまで"怖い"と思われる要素や作劇法を総動員して襲ってくるのだから俺が怖がるのも仕方ない。

POVというタイトルからも察する通り、本作は「パラノーマル・アクティビティ」を見て「悔しい!」と感じた監督の意地や鬱憤が創作のモチベーションとなったそうです。

誰かが作ったものではなく、なるだけ手のかかっていない素材そのままが良しとされる昨今。この企画自体が「パラノーマル〜」っぽいものを求められたという逆境の中で、ここまで人を「怖がらせよう」という強い意志で撮り上げられたものには異様な迫力が憑いている。

モキュメンタリーとしての完成度が云々と批判してる人もいるようですが、一番怖いのは劇場にやってきた観客を本気で地獄の底に叩き落としてブッ殺そうとする意思であって、その不謹慎で物騒な覚悟にもの凄く感激させられるわけです。
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by erenoa70 | 2012-03-09 15:54 | Movie
「おとなのけんか」を観ましたよ
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TOHOシネマズシャンテで「おとなのけんか」を観ましたよ。

子供のケンカをめぐってその親同士が大人な話し合い・・・のはずが、徐々にヒートアップして敵味方入り乱れての泥仕合になるという名優揃いのタッグマッチ・79分1本勝負。

会話劇であり密室劇であり、また話がリアルタイムで進行するのは戯曲が原作だからだけど、終止ニヤニヤ笑いが続くし、サスペンスフルだし、映画的な工夫もたくさんあって面白かったです。

表向きは寛容でリベラルな夫婦が本音と感情をムキ出しにして他人はもとより自分まで罵って醜態を晒していく姿はたまりません。

ここに目をつけるあたり監督ロマン・ポランスキーは流石と思うし、今だ変わらない底意地の悪さを味わえたことは生きる喜びです。

ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、クリストフ・ヴァルツ、ジョン・C・ライリーという安定感のある配役も良かったけど、特にずっと応援してきたジョン・C・ライリーがこの人達と肩を並べ、よもやジョディ・フォスターと夫婦役を演じるまでになったと実感出来たのは生きる喜びです。

始めて行った他人の家での所在無さげな感じや、食事に口をつける時のほのかな緊張感も良かった。そしてゲロの破壊力はパねえと改めて感じました。気をつけよう。
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by erenoa70 | 2012-03-05 05:41 | Movie
「ドラゴン・タトゥーの女」を観ましたよ
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新宿ミラノで「ドラゴン・タトゥーの女」を観ましたよ。

大富豪から40年前もの少女失踪事件の調査を依頼された中年ジャーナリストと、天才女ハッカーの活躍を描いたベストセラーの映画化にしてリメイク作。原作もオリジナルも未見だったけどメチャクチャ面白かったです。

D・フィンチャーがこのタイミングで純然たる娯楽作を撮るというのも意外だけど、こうした肩の力を抜いた作品にこそ作家の個性が出るもの。

目まぐるしいカットバックを始めとした編集技巧、怪しさ満点の照明設計にスマートなプロダクションデザイン。それら全てがうまく合致してフィンチャー印が全面に出た仕上がりに。特にカットバックは主人公二人の関係性を強調するのにバツグンの効果を発揮していて、大変感心しました。

しかし本作の魅力はご承知の通り、主人公の天才ハカーであるリスベットさんです。

ゴスでパンクなファッションに身を包み、華麗なるITスキルと頭脳で俗世間を生き抜いていく。その設定自体は特に新しくもないけど、演じるルーニー・マーラは彼女を狂気と儚さを併せ持った特別なヒロインへと変えている。

やはりあの40kgにも満たない華奢な身体で見せるアクションやセックスにはグッと惹き付けられるものがあって、まるで社会の理不尽さを一手に引き受けているような印象を残す。

とか何とか言ってますけど単に「いい女だな!」と思ってることも確かで、「おまえ無愛想でカワイイな、グヘヘ」と彼女に鬼畜なマネをするあの保護監察官となんら変わらないんじゃないかという気になってきたので、俺もリスベットさんに棒状の物をブっ込まれるかもしれない。
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by erenoa70 | 2012-03-03 14:25 | Movie