2012年 04月 28日
「別離」を観ましたよ
離婚を前提に話し合いを続ける夫婦と、父親の介護、子育て、別の家族との裁判沙汰、という発言小町のようなモチーフと、素っ気ないタイトルからしたら完全にスルーするタイプのイラン映画ですが、観てみたらとんでもなくエキサイティングで面白かったです。 エキサイティングと言っても別に戦艦が爆発したり人食い生物も出ないけど、ちょっとした嘘や猜疑心からトラブルが雪だるま式に増えて死ぬほど面倒臭くなっていく緊迫感はスゴいものがある。 たしかに平凡な家族の小さな問題かも知れないけど、北野武が「本当に恐い暴力は食卓をひっくり返すようなこと」と言ってたのを思い出しました。 脚本が上手いのは言うまでもないですが、イラン映画の特色であるドキュメンタリー的な演出ズバリはまっている。中東の人達と付き合いがなくて見慣れないというのが大きいとは思うけど、欧米と"お芝居"の定義が違うのかと思うほど演技と事実の境目が曖昧だからイヤでも主人公たちの行く末を心配したり、それはどうかと叱責したりしたくなるわけです。 ラストカットの"どうしてこうなった"感は本当に素晴らしいので是非。 そんな素晴らしい映画なのに、映画館の窓口で「別離(わかれ)、一枚!」と言ったら「別離(べつり)ですね!」と訂正され赤っ恥を晒したのはこの俺です。
by erenoa70
| 2012-04-28 23:26
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